木下尊惇

Takaatsu Kinoshita

フォルクローレ フォルクローレ写真

『伝承的な音楽』

 フォルクローレは、音楽の一ジャンルとして、おもにアンデス地方の民俗楽器を主体としたアンサンブルを指しますが、もともとは、『民間伝承』を表す英語です。

 二十世紀半ばから、ヨーロッパ(特にフランス)で流行した世界各地の『民族音楽』の中で、すでに定着していたジャンル(例えばタンゴ等)以外の中南米音楽に、名称を冠するために『フォルクローレ』という言葉が選ばれたのでしょう。

 ボリビアで『フォルクローレ音楽〜Musica folklorica』は、『現代的な音楽〜Musica moderna』と対照的な『伝承的な音楽』という意味で使われています。この『伝承的な音楽』というのが、フォルクローレの性格と現状をまとめた、ピッタリの表現です。

 昭和初期の日本で、柳宗悦を中心として『民藝運動』が起りました。『民藝』とは『民衆工藝』であり、一般民衆の暮らしの中で用いられる雑器に美しさを認め、それらを作る手作業に、その美の原因を発見、啓蒙したものです。『用の美』『無名の銘』など、さまざまな言葉が示されていますが、人々の生活の中から生まれ、生活とともに育まれてきたフォルクローレの本質は、まさに民藝の思想に合致します。フォルクローレは、『民藝の音楽』だとも言えるでしょう。

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